六弦の持つ無限性を遡源し、再現すると宣言

雨の降る中、その大きなケースを抱え、僕等は雑居ビルへと急ぐ。

5月13日。

ボサノヴァを生んだ、天才トランペッターがアムステルダムで謎の転落死を遂げてから、早18年。

チェットベイカーをリアルタイムに知らなくても、そのトランペットの音色は誰でも一度くらい耳にした事があるだろう。

だからという理由ではないが、その日、僕等はサムライブルーの応援もそこそこに、某音楽スタジオへと足を運んでいた。

狭く、急な階段を駆け上がり、そのずっしりと重厚なドアを開くまでの間も、GIBSONとTAKAMINEの大きなギターケースを持つ手には、何ら重さなど感じていなかったはずだ。

それほどに僕等は高揚していたし、無敵だった。

バンド活動を通して、一日中、音楽に触れていた若かりし頃、まるで確信犯的なコード進行の先に、実体の無い自信と虚妄に耽溺していたロック少年は、やがてギターをハサミに持ち替えてしまったが、だからこそ今になっても、こうしてバカでかいマーシャルの佇まいに酔い、シールドをアンプに挿す瞬間でさえも激しく喜憂し、ゲインのうねりに興奮してしまうのだ。

無欲であるが故の、楽観論か?

いや違う。 本気でメジャーを目指す彼等と、僕等は大きくは違わない。

想いをリフに変え、言葉を旋律に託す。

バンドを続ける事が、辛くて苦しかったロック少年は、ようやくそんな本来の楽しさに気付いたのかも知れない。

ジャムセッションが興じてバンドを結成した。

いまさらどんなに頑張っても、チェットベイカーのようにはなれない。

でも、今の僕の前に今の僕は無く、今の僕の後に今の僕は無いのだ。

そんな風にして、爆音とアルコールに挟まれながら、限られたこの人生を もっともっと楽しんでみようと思います。

そこで。

ファンクでブルージーでソリッドでジャジーでアルコールアディクトなドラマーの諸君!

テンションコード?スケール?そんなのノリでどうにかなるさ!

って訳でこの指に止まりなさい!

激しく、急募です。

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