その一瞬はすでに未来であり、もはや過去である。

2006/11/15

11月15日。  

 

 

それは、父親になったあの日と少しだけ似ていたような気がする。    

 

ただただ、ずっしりとした重み。

巨大な壁の足元で、ひざを抱えたくなるような不安。

何処にでも行けそうで、何処にも行けないような迷い。  

 

 

あれは喜びだったのか?

 

必然的強迫の選択できない不自由。  

 

 

 

 

そんなふうにして【ジャグブランキン】は姿を変え、再び誕生を迎えた。  

 

 

 

 

今からおよそ4年前、一人の税理士から3千万近くもの多額の助成を受け、彼をスポンサーにして最初の【ジャグブランキン】は誕生した。  

 

 

 

店内の軌道性や内装は、ボクの大脳から脊髄を通って指先に伝えられ、そのでたらめな理想はやがて、大きな一枚の紙の上で写実的な設計図へと姿を変えていった。  

 

テナントビルの一室を全て解体し、ボクの思うがまま、理想とするその空間には最高級の土壁が塗られ、インドネシアから個人輸入された照明が並び、オーダーメイドされた家具や、最先端の美容機器がセッティングされ、ボクの一存で全てのスタッフが揃えられた。    

 

 

 

 

 

その美容室が完成した日、決してそれが崩れていく事など、きっとノストラダムスでさえ、予見できなかったに違いない。  

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、それは4ヶ月と云う、あまりにも瞬間的な短い時間の中で、大きくバランスを崩し、解体されてしまったんだ。   

 

 

 

 

 

 

思えば、僕の人生は、全てそんなふうにして進んできたような気がする。  

 

 

 

都内有名店や、某テレビ局、有名スタジオ・・。

 

 

 

まだ、美容師が「カリスマ」などと揶揄されても居ない頃、自分を売り出す環境は、いつもボクの足元にあった。

 

少なからず妄信的な自信の根源には、青くて生臭い若さ故の過大な自己評価に由来するところはあったが、それでも、それなりにボクは【成功】していく過程をリアルに体感していたはずだ。  

 

それを未熟な自尊心や、許される事のない蛮行によって、ボクは自分に与えられた可能性の全てを台無しにしてきた。  

 

 

 

 

思えば、ボクの20代は、いつも他人の吐く「せっかくなのに」や「もったいない」という言葉によって体現されているといっても過言ではないかもしれない。

 

 

 

 

でも、理由なんてなかった。  

 

 

 

 

「せっかくなのに」や「もったいない」と云う言葉を、ボクは誰よりも多く吐き出してきたんだ。

 

 

それでも、いつだってあらゆる事象は、やがてボクの思惑から大きく外れたところを浮遊し、思いもかけないところへと沈殿してしまう。  

 

 

【運命】ってやつは、ボクに対して、どこまでも冷たくサディスティックだ。  

 

 

マゾでもなければ、決してストイックでもないボクにしてみれば、いつだって頭の中が「?」なのである。  

 

 

ともあれ、その一瞬はすでに未来であり、もはや過去である。  

 

 

だから、今のボクの頭の中に「?」は無い。あらゆる過去は、全て意味のあるものだったし、これからもきっとそうなんだろう。  

 

 

ただただ、ずっしりとした重み。

巨大な壁の足元で、ひざを抱えたくなるような不安。

何処にでも行けそうで、何処にも行けないような迷い。  

 

 

あまりにも突然に選択を迫られ、もはや勢いだけでオープンした【ジャグブランキン】も、ようやく「?」が「!」に移り変わってきたような気がする。

 

 

 

 

どうもありがとう。

 

 

 

 

まぁ、長くなりましたが。 新生【ジャグブランキン】。

 

今日で、二年目に突入しました。  

 

 

皆様、これからもどうか、ひとつご贔屓に。

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